Quiksilver — 倒産、Billabong買収等

毎週のようにウインドサーフィンをしていた頃、Neilpride、Starboard、Gaastra、North Sails、F2といった業界の代表的ブランドのことはしょっちゅうチェックしていたが、いわゆるサーフ系ブランド(Quiksilver、Billabong、Hurley、etc.)のことはよく分からず、興味もなかった。

去年からサーフィンを始めてからこうしたサーフ系ブランドのことを、通勤時間にネットサーチしてみたのだが、

  • Quiksilverが米国連邦破産法(再生型)の申請をしていた
  • 倒産申請から約1年後には同社がBillabongを買収
  • HurleyはNikeの子会社
  • サーフ関連ブランド(とWSL)には、いわゆる投資ファンド(PEファンドやベンチャーキャピタル)が深く関与している

等の事実(←長年サーフィンに携わっている方はご存じのことなのかもしれないが)を初めて知った。

上記のうち「Quiksilverが連邦破産法(再生型)の申請をしていたこと」「破産申請から約1年後には同社がBillabongの事業を買収したこと」について、自分が調べた範囲で少し纏めてみた。(破産関連の正式文書は、破産申請先であるデラウェア州破産裁判所に提出され、公開もされているようだが、とても全部を読み切る時間もないので経済ニュース系ネット配信記事をベースに纏めてみた。)

https://www.adventuresportsnetwork.com/transworld-business/quiksilver-u-s-files-for-chapter-11-bankruptcy-protection/

  • 2015年9月9日、Quiksilver, Inc.(以下、Quiksilver)は、デラウェア州破産裁判所にチャプター11(連邦倒産法第11章)に基づく倒産処理手続を申請。申請対象は米国内の事業のみで、ヨーロッパやアジア等でのビジネスは含まれず。尚、チャプター11の申請時、Quiksilverはニューヨーク証券取引所に上場されていた。
  • 連邦倒産法第11章は、倒産申立てにより債務者(この場合はQuiksilver)の事業を停止させることなく、旧経営陣が中心となって事業を継続しながら”再建”を目指すことが特徴。倒産手続が開始されると、債権者による個別の債権取立行為が自動的に禁止される。
  • 倒産申請の際、Quiksilverは投資ファンドのOaktree Capital Management, L.P. (正確には同社の関係会社。以下「Oaktree」)とBank of America N.A.から1.75億ドル(現時点での為替レートでは、約190億円)相当の融資を受ける前提であることを表明。米国証券取引委員会に提出されたOaktreeとQuiksilverによる合意文書(https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/805305/000119312515318615/d36699dex101.htm)によると、Oaktreeによる融資は転換社債型を採用。よって、一定の条件を満たすとOaktreeは融資分を株式に転換する権利を持つ。(実際に後日これが実行されてQuiksilverはOaktreeの傘下に入ることになる。)
  • Oaktreeは、いわゆるalternative investment(日本語に直訳すると代替型投資ファンド)を主たるビジネスとする。設立は1995年。拠点はロサンゼルスにあり、保有資産は日本円で1兆円超。
  • 2017年3月、Quiksilverは社名を”Boardriders Inc.”に変更。この時点でOaktreeは同社株式の約85%を保有。Boardriders Inc.の保有ブランドは、Quiksilverの他、RoxyやDC Shoes等。
  • 2018年1月、Boardriders Inc.(旧Quiksilver)はBillabong International Limited(以下「Billabong」)を買収。買収額は1.98億ドル。1ドル=110円換算で220億円弱。Billabong保有のブランドは、Element、Von Zipper、RVCA、ECELなので、これらは全てBillabongを買収したBoardriders Inc.の傘下に入ることになった。
  • 実はBillabong自体も2013年に経営危機となり、その時もOaktreeから融資を受けていた。

Oaktree自体は投資ファンドなので、いずれかのタイミングでこれら保有ブランドを売却することになるのかと思う。ブランドをパッケージにして売却することもあるだろうし、個々のブランドを切り分けて売却する可能性もあるだろう。将来的にはAdidasやユニクロがサーフ系ブランドを持つ、という可能性もあるのかもしれない。